リング製本 - B4サイズ編
リング製本の続きです。
リング製本はルーズリーフのように楽譜を綴じる、簡単・きれい・便利な製本法です。
穴をあける、綴じる、貼り合わせる、の3ステップで製本できます。
今回は上の記事で紹介した基本手順だけでは対応できない、B4サイズの製本手順をご紹介します。
楽譜はB4サイズで配られることが多いので、そんなときにぜひ実践してください。
B4サイズの製本
穴あけパンチのガイドも楽譜を綴じるルーズリングも、A4サイズ以下を想定して作られています。
そのため、これらをB4サイズに対応させるための処理が加わります。
手順0: 用意するもの
基本手順で用意したものに加えて、以下の物を用意してください。
厚紙(B4)
表紙・裏表紙の厚紙は、楽譜に合わせてB4サイズのものを用意します。
*1
A4サイズと同様、100円ショップ等で入手可能です。
パンチのガイド紙
パンチ付属のガイドのかわりに、パンチの位置を示すガイド紙を用意します。
以下のリンクからpdfファイルをダウンロードし、A4の紙に印刷してください。
guide_20170104.pdf - Google ドライブ
印刷時の設定やガイド紙の使い方はガイド紙に記載しましたので、記載に沿ってご利用ください。
2018/06/26追記:
B4サイズのガイド紙も用意しました。
B4の印刷が可能であれば、こちらのほうが位置を合わせやすいです。
ルーズリング(6穴分)
B4サイズを綴じるために、ルーズリングを6穴分だけ追加で用意します。
ルーズリングの背骨はハサミで切断できるので、ルーズリングをもう1本用意して6穴分切り取ってください。
*2
手順1: 表紙・楽譜に穴を開ける
手順0で印刷したガイド紙の補助線に沿って、表紙と楽譜に穴をあけます。
詳細はガイド紙に記載されている説明をご覧ください。
リング製本は「不器用でも簡単にできる!」がウリの一つでしたが、ここだけは残念ながら器用さが求められます。
B4サイズのガイドがあれば良いのですが、カール事務器さんから発売する予定は無いそうです…
手順2: ルーズリングに表紙・楽譜を綴じる
表紙・楽譜にあけた穴に、ルーズリングを通します。
ガイド紙の説明通りに穴をあけた場合、30+6穴があいているはずです。
30穴の側に通常の30穴分のリング、6穴の側に手順0で用意した6穴分のリングを通します。
手順3: 楽譜を貼り合わせる
楽譜の表と裏を糊で貼り合わせます。
(基本手順と同じです。)
これでB4サイズの製本も完了です。
おわりに
穴をあける作業に少し器用さを要しましたが、製本作業は以上です。
穴さえあけてしまえば、見栄えが良い・差し替えが便利といったリング製本のメリットを享受できます。
以下、少し余談を挟みます。
1穴分の空白をおくことでA4を一緒に綴じられる
手順1で穴を開ける際、30穴の上に1穴分の空白をおいて6穴あけました。
一度に6穴しかあけられないという消極的な理由もありますが、ここに空白があることでもう一つメリットが生まれます。
実はこの1穴分の空白のお陰で、30穴の側にA4の楽譜を一緒に綴じることができます。
穴をすべて埋めてリングを通してしまうと、A4の楽譜の角がリングに接触しうまく綴じられません。
写真手前の小さい楽譜がA4、奥の大きい楽譜と表紙がB4です。
1穴分空白を作っておけば、角が当たることなく一緒にA4を綴じられることがわかります。
これで、曲によってバラバラのサイズの楽譜が配られても1冊にまとめられます。
楽譜をA4の高さに裁断すれば基本手順で製本できる…けどやらない
糊製本でよくやられているように、余白を裁断してA4の高さにすれば、標準のガイドで穴をあけられます。
しかし以下の理由から、ここではB4サイズで製本することをおすすめします。
- 裁断の大きさが揃わないと見栄えが悪い
- 裁断もなんだかんだで器用さが求められるので五十歩百歩
- 用紙サイズが規格外になり、スキャン時に設定が面倒
僕は裁断のノウハウが無く、たまに楽譜をスキャンするのでB4サイズの製本にしています。
裁断のノウハウを持っていて楽譜をスキャンする予定が無い方は、裁断したほうが楽かもしれません。
お好みで変法をどんどん開発して頂ければ、冥利に尽きます。